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OpenID Foundation、CFPBデータ権利規則にコメントを提出

By tshibata | 2025年11月07日

OpenID Foundationは、個人の金融データ権利に関するルール1033の再検討について、消費者金融保護局(CFPB :Consumer Financial Protection Bureau)へコメントを提出しました。OpenID Foundationは、世界12のオープンバンキングの実装で得られた知見を有しています。今回のコメント提出は、202312月および20245月に続く、同規則に関する3度目の意見表明です。

OpenID Foundationのコメントは、20258月にCFPBから提示された以下の4つの質問に回答しています。

 1.消費者の代理として要請を行う「代表者」には誰がなれるのか
 2.消費者データ請求に応じる機関の手数料評価の方法
 3.ルール1033の遵守に伴うデータセキュリティ上の脅威および費用対効果の考慮点
 4.導入時に生じるデータプライバシーリスク

コメントは、OpenID FoundationFAPIワーキンググループおよびエコシステムサポートコミュニティグループの専門家の意見を反映しています。

CFPBへの全コメントはこちらをご覧ください:OIDF Response to CFPB

OpenID Foundationの貢献が重要な理由

OpenID Foundationは、セキュリティ、相互運用性、プライバシーを重視したオープンなアイデンティティ標準を開発しています。FAPI 2.0セキュリティプロファイルは、世界のオープンバンキング実装の標準として採用されています。

現在の導入実績:

  • 世界に3,500件の認定実装が存在
  • 数十億件規模の安全なAPIコールを処理
  • ブラジルで5,500万人(人口の25%)が利用
  • 英国で1,500万人(成人の22%)が毎月利用、APIコールは月間20億回

オープンバンキング以外でも、OpenID Foundationの標準には日々30億人以上が利用するOpenID Connectや、38の法域で採用されているデジタルウォレット仕様などがあります。

OpenID FoundationエグゼクティブディレクターのGail Hodges氏は「我々は現在、米国を含む世界中12のオープンバンキング/オープンデータエコシステムと連携しています。得られた知見を共有し、実効的なルール策定のために貢献しています」と述べています。

以下は、OIDFFAPI 2.0仕様を選定した主なエコシステムの概要です。

fapi_ecosystem.png

注記:

1)他のG20諸国およびグローバル・サウスの国々もFAPI 2.0を選定しているが、これは現時点では公表情報ではなく、OIDFへの機密事項である

2OIDFは、サプライチェーンおよびトランザクションバンキングのユースケースを支援するFAPI 2.0の適合性に鑑み、国際決済銀行(BIS)の「Apertaプロジェクト」にオブザーバーとして参加している

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