OpenID ファウンデーション・ジャパン

Event Report 【OpenID BizDay】

By nov | 2012年12月26日

2012年12月18日 (火)、OpenIDファウンデーション・ジャパン会員企業様向けビ
ジネスセミナー「OpenID BizDay」を開催しました。

「顧客ID情報の活用がビジネスを加速する」をテーマに、ヤフー様、楽天様、ジュピターテレコム様より、各社における顧客ID情報の位置づけと、OpenID/OAuthをはじめとするWebアイデンティティ技術の活用の実際についてご講演いただきました。


Session 1: 「課題解決を実現するYahoo! JAPAN ID」
ヤフー株式会社 ID決済本部ID決済企画部 プロジェクトマネージャー 白石 陽介氏

月間アクティブユーザー2,641万IDを誇るヤフーは今秋、OAuth2.0の仕様に準拠し、OpenID Connectもサポートした、「YConnect 」サービスの提供を開始しました。

パートナーサイトはYConnectの会員情報の連携機能やユーザー認証機能を呼び出すことにより、新規ユーザー登録時の入力補助やサイトへのログインに、Yahoo! JAPAN IDを活用することが可能となります。またヤフーへの広告出稿と連動したキャンペーン応募の簡易化や、Yahoo!プレミアム会員判定による優待サービスなど、YConnectによって効果的な集客ができます。

Yahoo! JAPAN IDについてはセキュリティ面でも、ログインテーマやワンタイム・パスワード、リスクベース認証など、様々な取り組みを行っており、YConnectによってこれらの機能を利用できるのもパートナーにとってのメリットとなります。その他、ヤフーが提供するオークションやウォレット、ポイント、知恵袋などの各種サービスのAPIと組み合わせて活用することが可能です。

Yahoo! JAPAN ID連携は、DeNA (mobage) や GREE、クレディセゾンなど、多くのパートナーが導入しています。そしてスマートフォンにおいても、ソフトバンクグループや、カルチュア・コンビニエンス・クラブ (来春開始予定)、KAKAO TALKなどとのYahoo! JAPAN ID連携を行っていきます。


Session 2: 「楽天におけるこれまでの取り組みと今後のグローバル展開に向けて」
楽天株式会社 オープンサービスプラットフォーム課 ウェブサービスグループ マネージャー 越川 直紀氏

楽天グループは、楽天市場においては昨年流通一兆円を達成し、展開するサービスは旅行、金融、証券、クレジットカード、電子マネー、電子書籍、ポータル&メディアなど、多岐にわたります。そしてグローバルでは、海外11カ国、13企業に拡大しています。

楽天では、会員データベースを中心とする「楽天経済圏」において、様々なデバイスからの接続やソーシャルメディア連携、グローバルでのサービス展開を背景に、利便性を向上し安心・安全なIDシステムを提供することが求められています。楽天市場の拡大とともに誕生した楽天IDは、2008年に「楽天OpenID」をリリースし、2010年にOAuthの内部提供を始め、2011年にはOAuth 2.0の提供を開始しました。

楽天外部のサイトに決済機能を提供する「楽天あんしん支払いサービス」では、決済ステップにおいてOpenIDを利用し、外部サイトに会員登録せずにお買物ができます。また電子ブック楽天では楽天会員登録をすれば電子書籍が購入できますが、このしくみにはOAuth 2.0を用いており、クレジットカード情報やポイント情報を連携しています。さらに楽天アメリカ・ダイレクトでは、OAuth2.0を使用し、ドメインの異なるサイト (楽天のグループ会社である米国法人Buy.comが運営する個人輸入サイト) でユーザがログインを行い、お買い物ができる機能を提供しています。

一方、楽天は急速にグローバル化しており、世界に約15サービスを展開しています。アジア地域 (日本、台湾、マレーシア、インドネシア) では、楽天IDでログイン可能です。これにより、たとえば台湾に赴任してもふだん使い慣れた楽天のID/パスワードが使えたり、あるいは日本から台湾の市場にログインし商品を取り寄せたりできるようになっています。

今後は各国の法令遵守や、セキュリティ・レベルの違い、そして文化の違いも加味しながら、楽天会員が世界中の楽天サービスをシームレスに利用できるようなシステムを目指していきます。


Session 3: 「ケーブルテレビサービスにおけるJ:COMのOpenIDへの取り組み」
株式会社ジュピターテレコム プラットフォーム企画部 担当部長 笠井 康伸氏

J:COMは、プラットフォームとコンテンツ、すなわち配信基盤と番組制作とを併せ持つ、国内唯一の「総合メディア企業」です。接続可能世帯数は1,362万世帯であり、そのうち366万世帯が、実際に多チャンネルサービスに加入しています。ケーブルテレビ事業を5大都市圏に展開しており、自前のケーブルを使った、多チャンネル、インターネット、電話の「トリプルプレイ」を提供しています。

J:COMのIDへの取り組みの契機は、サービス環境の変化です。これまではJ:COMがSTB (セットトップボックス) をお客様に貸与し、世帯単位で、サービスをワンストップで提供するモデルでした。一方昨今では、お客様は自身が所有するデバイスで視聴するようになり、また単位も世帯/個人の混在となり、SNSなどのサービスとの連携のニーズも高まってきました。その結果、デバイスに依存しない、オープンなIDの必要性が高まったのです。

このようなIDシステムを導入するにあたり、まず選択肢の多さやサービス連携の観点から、OpenIDを選択しました。そして運用、導入実績、最新仕様への適合、さまざまなデバイス対応に関して、非常に悩んだ結果、野村総合研究所の「Uni-ID」を採用し、構築を進めています。

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